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2025年02月11日

MD Anderson Cancer Center留学体験記 No. 7 留学1年目を振り返る

MD Anderson Cancer Centerに留学して1年3か月が経過しました。不慣れな基礎研究や英語環境、文化の違い等に悩まされた1年目の仕事を振り返りたいと思います。

Rugangラボでは、新しく入った研究者(多くはpostdoctoral fellow)に研究テーマを1-2つ、他のラボとのコラボレーションのテーマを1つ与えられます。対象分子をスクリーニングで探すことから始まる、ゼロからに近いテーマもあれば、ラボを卒業した先輩研究者が残していったテーマを継続する場合もあります。私の場合は、基礎研究の経験が少なかったこともあってか、後者が与えられました。

初めの半年間は、先輩研究者が残した結果が自分の手で再現できるかという実験に多くの時間を費やしました。研究の世界では、手が変わると再現できなくなる実験があると言われますが、確かに小さな手技の違いが結果に大きな違いを生みます。すべて再現するにはまだまだですが、カギとなる実験結果の多くが再現可能だったのはこの研究テーマの信頼性を高めました。

次の半年間は、追加の動物実験、免疫チェックポイント阻害剤との併用実験、CAR-T細胞実験などに打ち込みました。テーマの継承は、方向性が決まっているというメリットがある反面、これまでの流れや研究の意義がつかみにくい部分がありました。私にとって励みになったのは、MD Anderson Cancer Centerの若手研究者が集う発表会で表彰されたことです(Trainee Research Day 2024 Poster Award, UT MD Anderson Cancer Center)。これ自体大きな栄誉とは言い難いですが、小さな勝利をかみしめて翌日以降の研究に取り組みました。もう1つの励みになったことは、ほかのラボとのコラボレーションテーマがスムーズに進んでいることです。これは施設内発表会よりは大きな勝利につながるのではないかと期待しています。

2年目の目標は形に残る業績や論文を出すことです。アメリカの最先端のラボで研究すること自体が財産となるでしょうが、研究者を続けていくにはやはり成果を形にすることが大事です。時系列的にはほかのラボとのコラボレーションテーマでまず1編、そして継承した自分のテーマで1編の論文発表が目標です。今は守秘義務がありますが、公表まで至った際には研究内容を詳しく記述します。

先日ヒューストンでは数年に1回という寒波で雪が積もりました。その2-3週間後には日中は半袖で過ごせるくらいの気温になりました。


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