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2023年12月04日
生殖領域
准教授 医学博士 河野康志
子宮鏡検査
不妊症の原因検索のための検査の一つに「子宮鏡検査」があります。子宮鏡検査とは、子宮内に胃カメラのような細く柔らかい内視鏡カメラを挿入し、子宮内腔の状態を観察する検査のことです。不妊症の中でも着床障害や不育症の原因に慢性子宮内膜炎という疾患があります。慢性子宮内膜炎は基本的には無症状で、一般的な不妊症・不育症スクリーニングでは見つけることができません。診断自体は、子宮内膜組織を採取する生検を行い、免疫組織化学染色し、CD138という表面マーカーが発現した細胞(形質細胞)の数を確認することで診断しますが、子宮鏡で子宮内の発赤やマイクロポリープ、内膜間質の浮腫状変化で慢性子宮内膜炎を疑うことができます。当院では毎週月曜午後に1枠ずつ、日帰りで可能な外来子宮鏡検査を行っています。
反復着床不全への対応
生殖補助医療の適応となる患者さんで、体外受精で状態の良い受精卵(胚)を複数回戻しても妊娠が上手くいかない場合、反復着床不全を疑います。反復着床不全が疑われる場合は、胚側と子宮内膜側の両方からアプローチしていきます。子宮側では、子宮内膜の状態を観察するために子宮鏡検査を行います。
着床過程では、受精卵の細胞が透明帯を破って孵化をし、子宮内膜に侵入しますが、特に胚側の孵化を補助する方法(アシステッドハッチング)や胚と子宮内膜の接着を手助けし着床を促す専用の培養液を使用する方法(高濃度ヒアルロン酸添加培養液)などを取り入れています。
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