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2023年12月07日
ロボット支援下手術
助教 医学博士 甲斐 健太郎
1.ロボット支援下手術とは何ですか?
ロボット支援下手術とは、腹腔鏡下手術に代表される低侵襲手術の一種です。しかし、腹腔鏡下手術の術者は、鉗子(手術操作用の器具)を直接操作して手術を行いますが、ロボット支援下手術の術者は、コンソールという操作台に座り、遠隔でロボットに指示を送り、ロボットが鉗子を動かします。当科では、da Vinci(ダ・ヴィンチ)とhinotori(ヒノトリ)という2種類の手術用ロボットが稼働しております。
2.具体的にどのような病気に対する手術が可能なのでしょうか?
ダ・ヴィンチは、米国発の手術支援ロボットです。再発リスクの低い子宮体癌や良性婦人科疾患(子宮筋腫など)が主な対象です。当科では2018年以降ダ・ヴィンチ手術を開始し、2022年までに50例以上の実績があります。また今後は骨盤臓器脱の手術へ適応を拡大する予定です。
3.ヒノトリはどのような病気に対する手術が可能なのでしょうか?
ヒノトリは国産初の手術支援ロボットで、2023年から全国に先駆けて当院に導入されました。再発リスクの低い子宮体癌や良性婦人科疾患(子宮筋腫など)が主な対象です。
4.その他の低侵襲手術にはどのような種類があるのでしょうか?
その他の低侵襲手術には、①腹腔鏡下手術、②子宮鏡下手術があります。腹腔鏡下手術は、良性疾患からロボット支援下の適応とならない悪性腫瘍までを広く対象としています。子宮鏡下手術は内視鏡カメラを経腟的に子宮腔内に挿入します。そのため、体に傷跡が付かないという特徴があります。主に子宮腔内に病変(粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープ)を有する患者様に有効です。
5.低侵襲手術以外の手術はあまり行われていないのでしょうか?
そんなことはありません。当科ではロボット支援下手術を代表とする低侵襲手術と従来の古典的な開腹手術のどちらも行っています。あくまで患者様の病態に応じて、最適の手術方法を提案し、十分なご理解のもとに決定します。そして、たとえどのような手術方法を選択されようとも、患者様の健康を第一に考える姿勢は揺るぎません。