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2026年03月06日

MD Anderson Cancer Center留学体験記 No. 13 藤内先生との留学Q&A 後編

MD Anderson Cancer Centerに留学しています、矢野光剛です。大分大学産婦人科医局の後輩である藤内先生との留学Q&Aの続きです。

 

  1. 現地での日本人コミュニティなどはありますか?またある場合、コミュニティへのかかわりはするべきですか?できるだけ日本人と関わらない方が、その現地の文化や言語などにより溶け込めるという話も聞いたことがあります。

 

日本人が留学にいく先は、たいてい大きな都市で、大きな研究施設がある場所なので、日本人コミュニティが存在します。

日本人コミュニティとの関わりは本人や家族の価値観に従ってよいと思います。実際に、積極的に関わる人と、少し距離をおいている人がいます。

日本人に限らず、みんな私生活では自分のコミュニティを持ち、職場や学校など公共の場ではコミュニティ関係なく交流しています。伝えるのが難しいですが、アメリカといえば様々な人種や文化が活発に交流しているイメージでしたが、実際はみんな居心地のいい場所(日本人なら日本人コミュニティ)に住み分けている気がします。

日本人家族との交流は情報交換ができるのでアメリカ生活が楽になります。日本人が欲しい情報はやはり日本人が知っています。

異国での助け合いも留学の醍醐味のひとつかもしれません。2024年7月のハリケーンベリルによってヒューストン市内が長期間の停電・断水によって大混乱しました。灼熱のテキサスでエアコンが効かず、冷蔵庫・冷凍庫の食材はダメになり、当時は手動でのガレージの開け方も知らなかったので車も閉じ込められて避難もできませんでした。家族(特に生まれたばかりの次男)が苦しんでいるときに、停電が起きなかった近くの日本人家族が助けてくれました。その家族はすでに帰国されましたが、日本に帰ったら改めてお礼をしたいです。

 

  1. 留学中のストレスへの対処法について教えてください。

 

自分のストレスとともに、家族のストレスともよく向き合うことですね。

家族のうち誰かひとりでも留学生活に耐えられなくなればその時点で留学は終了だと思っています。自分のストレスは多くの場合、家族が楽しそうにしている姿をみると和らぎます。つまり、私にとっては家族が楽しむことが重要で、外出・外食や旅行など楽しんでもらうためのイベントを計画しています。仕事をしながらの計画は大変なので、日本人の友人たちに聞きまわって参考にしています。

 

  1. 留学先で研究以外にやっておいたほうがいいことはあるか。

英語の練習、臨床現場をみる、旅行やスポーツ観戦、アメリカの文化に触れること

ただ時間とお金は限られているので家族の価値観によって、取捨選択が必要です。

その他には、留学で日本の他大学出身の人たちと多く交流できます。日本の学会等で会っても仲良くなる機会は少ないですが、留学先では助け合うという点もあって意気投合できます。同世代のモチベーションの高い留学仲間の話をきくことは勉強や刺激になりますし、帰国してからの横の繋がりにもなります。

 

  1. 留学してみてわかった日本のよいところ・悪いところ(研究面・生活面)はありますか?

 

日本のよいところは、清潔意識が高い、治安がよい、物価が安い、道路が整備されている、ライフライン(電気・水・ガス)が強固であること。また日本人の真面目に働く姿勢は、米国でも高く評価されていると感じます。

アメリカの方がよいと感じるところは、人種と価値観が多様である、家族との時間を大切にする、その場・その時を楽しむことに重視してお金や時間を使う、ことですね。古い歴史や建造物、情緒のようなものでは日本や欧州などに軍配が挙がる気がしますが、アメリカは国立公園の壮大な景色やスポーツなどエンターテイメントが素晴らしいです。

研究面では、ひとつの施設しか知らないので全体像はわかりません。ただ臨床だけでも十分に有名なMD Anderson Cancer Centerが、研究をさらに重視して日本とは比較にならない程の大きな資金・土地・建物・人材をかけているのはよくわかります。

 

  1. 留学して後悔したことがありますか?

 

特になく、本当に満足しています。

ただ、自分や家族に大きな事故やケガなどあれば留学を後悔することになると思うので、安全面には常に気を張っています。無事に行って帰ることが留学の最も重要な目標です。

 

  1. 留学をしてみたい後輩たちに向けて、まずやっておくべきことは?

 

留学したい気持ちがあれば実現可能と知ってほしい

そして研究者としての修練だけではなく、臨床医や社会人としての成長や経験になります。準備としては、学位(博士号)と多少の論文があったほうが受け入れ施設を探す苦労が減ると思います。

 

  1. 今後日本で研究の指導をする上で、後輩達に研究(基礎・臨床)に興味を持ってもらうビジョンがあれば教えてください。

 

研究が、患者さんや医学に「直接的に」貢献できるとアピールしたいですね。

自分が若手だったころを振り返ると、難しそうな研究で臨床応用までの道のりもイメージが難しい場合、自分とは違う世界のものだと感じました。

アメリカでは、研究の意義を、みんなとても上手に説明します。小難しい研究計画を、いかにかみ砕いて説明するかが、研究者の腕の見せ所です。

加えて、定期的に成果・論文をだすことも重要です。留学先の研究室では全員がハードワークしますが、その根底には頑張れば将来に役立つ成果が得られるとRugang Zhang教授と研究室を信頼しているからだと感じます。研究は必ずしも成果が保証されませんが、頑張った分は成果が得られる場所にしたいです。

日本では、まず興味をもつことから始めてテーマを決めると学んだ気がしますが、今の研究室では、研究テーマは「興味があるから」で決めるのではなく、医学的・科学的な需要と正当性から決まると教わりました。留学先で見聞きしたものをただの受け売りでなくて自分のものにできるか…まずは自分がよい研究者になることが、後輩が一緒に取り組んでくれる近道になるのでしょう。

 

  1. 帰国後の役割について

 

大分大学で研究面でのリーダーのひとりという役割を果たしたい。

留学先で学んだ技術・知識を伝えていきます。当然ながら、アメリカの基礎研究室と同じことは資金・人員などの面から難しいです。自分の強みである「大学院で病理学、留学先で基礎研究を学んだ産婦人科臨床医」を活かした研究の道をみつけることが長い目線でいえば、所属施設・医学・患者さんに貢献する第一だと考えています。

まずは短期・中期的な研究テーマを設定して、大学院生や技官とともに研究に取り組み、その成果を基に帰国後3年以内には日本での研究の足場をつくりたいです。

長期的には、継続的な研究成果によって他大学・他国から研究希望者を受け入れられるような研究室を作るのが夢です。

 

残念ながら藤内先生と私のツーショットがありませんでしたので、現在の二人の写真を載せます。それぞれの仲間に囲まれてお互い充実した時間を過ごせていますね。

 


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